今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ17  ~闇を抱いて光となる。覚醒せし者『ウルトラマン』~

どーも羽野です。
マガオロチが登場してからの一カ月、遂に締めくくりとなる17話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。

『復活の聖剣』
あらすじ
闇の力を拒み、ゼッパンドンの前になす術なく撤退したオーブ。
ガイを誘き出さす為、ナオミのいる病院をジャグラーが襲撃した。
間一髪のところで駆けつけたガイ。これが切っ掛けで、ガイとナオミを繋ぐ「事実」が明らかとなる。
再び現れたゼッパンドンに挑むも、ビートル隊から攻撃を受けてしまうサンダーブレスター。
だが、オーブは負けない。己を信じる勇気がガイの手に再び聖剣を握らせた。
みよ、オーブオリジン!

此度の注目ポイントは、
・2人を引き寄せる「お守り」
・覚醒のサンダーブレスター!
・マスクの優しい表情
・オーブオリジン!
 
 
・2人を繋ぐ「お守り」
 前話のラストで、ナオミのいる病院に出現したジャグラー。ナオミの名前を呼び腕を掴むシーンは軽くホラーの粋。
 そこへ救出に現れたのはガイ。到着がジャグラーより遅かったのは、ナオミの前に姿を出すのにためらいがあったからだろうか。
 ともかく、病室を離れた2人。窮地を脱したが、ガイは沈痛な表情のまま。またしてもナオミを危険に晒し、病室に有った「お守り」も傷ついてしまった負い目が、彼を更に苦しめる。
「俺は誰も傷つけたくないのに……」
 番組始まって以来、ここまで弱気なガイさんの姿は初めてだ。ナオミの問いかけにもどこか投げやりな様子。
 
 だが禍を転じて福と為すとはよく言ったもの。ジャグラーの襲撃が引き金となり、1話、5話、7話、8話を通じて張られていた伏線がここで回収される。ガイのミステリアスさを表わすのに使われていた小道具が、ナオミの「お守り」が、ここに来てまたも役目を果たすとは。
 ウルトラマンとして強敵と死闘を演じ、常にどこか張り詰めた糸の様であった彼が、ようやく緩むことを許された、そんな気がする。お守りに秘められた「事実」を知り、涙を流すガイの姿には、視聴者たるこちらも涙腺が緩む始末。
 
 
・覚醒のサンダーブレスター!
 救われたのもつかの間。強敵ゼッパンドンが再びガイの前に現れる。
 かつてナターシャにしたことと同じく、オーブニカを預けてガイは戦場に赴く。
 闇の力を使えと言うジャグラーの言葉を受けて、迷うことなくガイはサンダーブレスターに変身! リードの順番や変身する際の口上が15話と逆な点に注目だ。
「闇を抱いて光となる!」
 現状の最強戦力は雄たけびを上げてゼッパンドンに挑む。だが、マガオロチの時の様にはいかない。

 以前の戦いでは。肉を潰すような音を立てていたパンチや、思い切り振り下ろした頭突きをかましても合体魔王獣は怯まない。投げ飛ばそうと担ぎ上げても火球に邪魔され、逆に相手の殴打によろける。
 必殺のゼットシウム光線を放つもゼッパンドンシールドに防がれてしまう。どれだけ堅牢なんだこのシールド。

 それでも光と闇の最強クラスの力を借りているだけあって、サンダーブレスター自身もタフ。前回は大きく吹き飛ばされた鋭いキックや、連続火球を受けても倒れない。
 両者ともに決め手を欠いた死闘である。
 そこに、オーブを攻撃すべく現れたゼットビートルの編隊。まさかビートル隊の発進シーンお披露目がこんな形とは。
 
 
・マスクの優しい表情
 ビートル隊の攻撃を受けたオーブに、ゼッパンドンは追い打ちをかける。火球と光弾の一斉発射をかましオーブと、彼の戦いを見守っていたナオミ、探しに現れたシン、ジェッタを爆炎に包み込む。
「さらばウルトラマン
 毎週恒例の企画、今週のサブタイトルを口にして止めをさしにかかるジャグラーの猛攻から、オーブは体を張って3人を守った。
 
 当たり前の話だけれど、この作品はフィクション。怪獣にしろ宇宙人にしろ設定上は生き物であるが、現実は造形物である。着ぐるみやマスクは作り物でしかないのだ。
 しかし不思議なことに、庇った3人を見下ろすサンダーブレスターのマスクが、ツリ目で強面のマスクが、とても優しい表情をしているように見える。本来ならば造形物でしかない、無表情であるはずのマスクから感情がにじみ出てくる。これが演出とアクターの妙が成せる技よ。
 
 
・オーブオリジン!
 己を信じる勇気が力になる。
 ガイの頼みを聞き入れたナオミが歌う中、真っ白だったウルトラフュージョンカードに光が灯り、本当の姿がそこに描かれる。
 リードすることで、ゼッパンドンの尻尾から聖剣が姿を現す。これまでオーブカリバーはマガゼットンに取り込まれていたのだろうか。魔王獣カードを通じてマガオロチ、そして尻尾を通じてゼッパンドンに伝達されていたとも考えられる。
 
 考察はさておき、オーブオリジンの復活だ。ぐんぐんカットはオーブ自身のOP! そしてついにあの言葉を言ってくれた! 第1話で名乗り口上をあげてから今回に至るまで、自分ではずっと言わなかったあの言葉を出した!
 ジェッタたちの声援を受け、勇ましく魔王獣に歩み寄る姿は堂々の風格。
 聖剣の一撃は威力が凄まじいらしい。徒手空拳では有効打を与えられなかった相手を大きく怯ませる。

 更に厄介なシールドは、オーブグランドカリバーで撃破。両サイドから挟み込むように走る光の奔流を防ぐため、ジャグラーが左右に展開したことと、剣技自身の威力が合わさって、見事に破れた。
 柄と刀身の間のリングが回転するギミックを見るに他の属性の技も使える様だ。
 そして第1話冒頭で魅せていた大技・オーブスプリームカリバー! 石黒さんの雄たけびがカッコいい。
 強敵を下し、ジェッタの生配信が功を奏し、メインキャラクターたちはガイの帰還を快く受け入れてくれた。正に万々歳なラストである。
 

 いやはや、マガオロチから続く中盤の山場を越えて、ひと段落というところです。第1話から続く伏線も回収され、ここからはラストへ向けて突っ走るだけの様ですね。
 

さて次回。
ビートル隊の隊員である渋川一徹は、今日も地球の為に活動していた。
聞き込み、張り込み、一般人に張り倒され、宇宙人を追跡する。
一方で彼は、娘との関係に頭を抱える父親でもあった。
地球の平和を乱すベムラーとシャプレー星人に、一徹お父さんが立ち向かう!

ウルトラマンオーブ第18話『ハードボイルドリバー』
ここからは1話完結が復活の様で、まずは渋川さんメイン回です。
いざさらば。