今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ19  ~人は誰しも不安を抱えてる~

どーも羽野です。
これまでメインヒロインとして活躍してきたナオミに、別の意味で試練が訪れる19話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。
 
『私の中の鬼』
あらすじ
ナオミは高校時代の友人・の結婚式に招待される。だが、参列者の心ない発言が原因で、ナオミの心に暗い影がさす。更に帰り道の途中、履いていた靴のヒールが折れてしまい、ナオミは苛立つばかり。だが転んだ場所は、靴を添えると異性との縁を結んでくれる石碑の前だった。
縁結びに何か頼らないと言い放ち、靴を投げつけて彼女は立ち去る。
そして結婚式当日、式場に突如、紅蓮の鎧武者が現れた。奴はなぜ現れたのか、その目的は何か?

此度の注目ポイントは、
・夢と結婚……
・戀鬼!?
ジャグラーのセリフを認めるガイ
・剣戟戦が映えるアクションシーン
 
 
・夢と結婚……
 SSPを運営する為、ナオミは今日もバイトにいそしむ。多忙な彼女はバイト先から直接、旧友・陽子のお祝いに向かう。おしゃれはすれども食事は菓子パン。それも時間を節約するため歩きながら食べるほど。
 この様に毎日エネルギッシュに活動し仕事も恋も自分で掴むものと意気込む彼女は、TVで見た縁結びの石碑には否定的。
 そんなナオミはお祝いの席に参加するでショッキングな事実を知る。陽子が結婚のために仕事を辞めると言い出すのだ。親の反対を押し切ってまでホテルの仕事に就きたがっていたのになぜ?
 ショックを受けるナオミに対し、陽子の友人たちは当然だろうという態度を取る。陽子のダンナは東都ホテルの御曹司だし、やっぱりオンナの幸せは家庭にあるというのが彼女らの言い分。陽子も否定するでもなく、口を閉ざしたまま。

 彼女の態度にひっかかったナオミは更に追求しようとするが、口には道中口にした菓子パンのチョコレートが。慌ててカバンからハンカチを出そうとすれば荷物をぶちまけ、バイト先の制服が飛び出す。友人たちはクスクスとあざ笑い、気まずいナオミは退室。
 ナオミが消えた瞬間、部屋は爆笑の渦。学生時代のナオミは非常に優秀な生徒であった。どーもこの「友人たち」はそれを良く思っていなかったようで。優等生がバイト生活していることをバカにする。
 いやはや。友人たちマウントを取るのに必死だなぁと思う。そのコミュニティの中で自分が有利な立ち位置に着こうとするのは、どこも一緒なんだなぁと。年齢や経験、職業を理由に相手をやり込める事に人は快感を覚えるものなのか。あー怖い。
 いたたまれず会場を去ったナオミ。せっかく新調した靴があっさり壊れてしまうし、踏んだり蹴ったり。そんな帰り道で偶然発見したのは、自分が否定していた石碑だった。
 
 
・戀鬼!?
 シンの調査で縁結びの石碑は、恋人との仲を引き裂かれた侍に関係のあるものだと判明。その直後、紅蓮の鎧に身を包んだ侍が街中に出現した!
 初出は『ウルトラマンコスモス』に出ていた怪獣(というか幽霊か?)。メカザムの改造だからエラく様変わりしてるけど、あの戀鬼だ。黒髪とか。しかしコスモスでも恋愛がらみで騒動を起こしていたなコヤツ。悲しいかな、悲恋に苦しむ者はどこの宇宙にもいる様だ。

 マックスからは歴代シリーズの懐かしい怪獣がよく再登場する様になったけど(着ぐるみの再利用という面もあるが)、コスモスの怪獣が、しかも1話しかでていないヤツが出るのは珍しい。
 そしてシンが戀鬼の言い伝えに関して解説している時のガイさんの表情に注目。どこで知り得たかは不明だが、彼は歴代ウルトラマンの事を知っている。という事は、コスモスと戀鬼の戦いも知っているのだろうか?
 マルチバースという概念が導入されて以来、全てのウルトラシリーズは「別の世界だけど繋がってる」状態にある。ガイは歴代戦士のことをどうやって知ったのか個人的には気になるところ。
 
 
ジャグラーのセリフを認めるガイ
 自分が戀鬼を出現させてしまった……! 靴を拾いに行ったナオミだが靴は既に無い上にジャグラーが現れた。縁結びの筈の石碑から怨霊を呼び覚ませたことにジャグラーは驚く。
 お前はどこかに闇を抱えている、ガイにも言った事を、ジャグラーはナオミにも語り掛ける。
「誰の心にも闇はある。闇があるからこそ、光もある」
 現れたガイはジャグラーの意見を突っぱねる。自分の中の闇と向き合ったガイだからこそ言えるセリフ。逆に言えば、こういう事を臆面もなく言える程にガイは強くなったんだなと感じる1シーンだ。
 
 いずれ現実に打ちのめされることになる、地獄からの誘いに身を委ねろ。不吉な事を言い残し立ち去ったジャグラーに対し、珍しく良い事言ってたなと、ガイは誉める。
「人生は思いもよらないことが起こる。ナオミが本当に望めば未来は変えられる」
 そういえば、第7話で似たような事をハルカに言ってたなガイさん。
 なるほど確かに。昔はどうだか分からないが、第1話から今回に至るまでジャグラーが碌なこと言ってないというのは、視聴者も知ってるからね。今回の発言は珍しい。やはり解釈一つで変わる物なんだな評価って。
 
 
・剣戟戦が映えるアクションシーン
 陽子に危機を知らせたナオミだが、信じてもらえないどころか、結婚に反対なのかと疑われてしまう。
 そこへナオミの靴を履いた戀鬼(紅蓮鬼)が襲い掛かる!
 渋川さんが避難誘導するも、陽子は逃げようとしない。
 ガイはハリケーンスラッシュで出撃。トライデントスラッシュを繰り出すが、動きを見切られスラッガーランスを素手で受け止められてしまう。
 侍は剣術だけでなく柔術などの徒手格闘にも精通している訳だが、戀鬼もその例にもれず。オーブの動きを見抜く辺り、相当鍛えていたんだろうな。
 
 対するガオはオーブオリジンで対抗。
 武器と武器のぶつかり合いは、レオとケットル星人、ビクトリーとジュダといった戦いを想起させる。
 特に、ナオミが陽子に戀鬼の正体を白状するシーンに挿し込まれる剣劇戦は必見。
 髪を振り乱し刀を振るう戀鬼と、オーブオリジンの素早い剣技の応酬は実にスピーディだ。一瞬しか挟まれないが見ごたえ十分。
 だが、戀鬼は強い。マイナスエネルギーを刀身に宿した斬撃はオーブオリジンをも苦しめる。
 
 予想外の強敵を鎮めるため、ナオミは戀鬼に語り掛ける。縁結びの石碑として人を幸せにするのと、私(ナオミ)のちっぽけな妬みに惑わされて陽子を傷つけようとするのと、どっちが好きなのか。幸せだったのか。
 果たしてナオミの言葉は戀鬼を動かす。浄化チックなラストは、コスモスに近いものがある。
 マイナスエネルギーで動く相手には、力だけでなく心でもぶつかるのが効果的なようだ。シンとジェッタのアシストもナイス。
 そして騒動が収まり、陽子はなぜ東都ホテルを辞めることになったのかを語る。なるほど、お祝いの席で言いにくそうにしていた理由や逃げようとしなかった理由はこれらだったか。
 お互いに本音を出し合い、2人の女性は改めて友情を深めるのだった。
 

 ラストシーン。ハグするナオミと陽子の姿には爽やかな感動を覚えます。彼女らに気を使って先に離れるジェッタとシン、そして親指を立てて立ち去るガイさんもいい味出してます。
 2人の不安はこの先も続くんだろうけど、逃げずに立ち向かっていくんでしょうな。自分も頑張ろっと。
 
 
さて次回。
惑星侵略連合を潰したジャグラーへの復讐に燃えるメトロン星人・タルデ。
両手のランチャーが火を噴き、ジャグラーは深手を負ってしまう。
ガイとタルデが激突する中、心中複雑ながらナオミはジャグラーを介抱する。
夕日をバックにハリケーンスラッシュと巨大タルデが真っ向勝負!

ウルトラマンオーブ第20話『復讐の引き金』
メトロん星人といえば夕日ですよねぇ。
いざさらば。