今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ20  ~タルデに見た、メトロン星人の矜持!~

どーも羽野です。
数週間に渡り復讐の機会を窺っていたであろうメトロン星人が、遂に動き出す20話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。
 
『復讐の引き金』
あらすじ
復讐に燃えるメトロン星人タルデ。白昼堂々、ジャグラーに深手を負わせ彼の蛇心剣を奪った。危機に陥ったジャグラーを救ったのはなんとガイ。どさくさに紛れて逃亡したジャグラーと偶然出くわしたナオミは、心中複雑ながらも介抱する。
ジャグラーからガイとの過去について聞かされる一方、ジェッタとシン、渋川はナオミが、目撃情報にあった円盤に連れ去られたと考え捜査を開始する。
その円盤の主はタルデ。仇討ちの為ならば誰だろうと容赦しないタルデに、ナオミたちは見つかり、銃口を突きつけられてしまう。急げガイ!

此度の注目ポイントは、
・タルデとガイとジャグラー、三者三様の宇宙人
・ハリケーン奮戦!
・夕日バックに戦う。セブンリスペクトの演出
・語られるジャグラーの過去
 
 
・タルデとガイとジャグラー、三者三様の宇宙人
 13話からここに至るまで、オーブオリジン登場編も有った分長めに待たされたタルデ。これまでの鬱憤をはらそうとジャグラー相手に大ハッスル。
 復讐に燃えるタルデは、番組冒頭からジャグラーを追い詰め、蛇心剣を奪い、突きつける。タルデの脳裏にはジャグラーに貶され、抹殺された侵略連合の仲間たちの姿がよぎる。
 ここまで怒る辺り、知性的であるが淡白な印象を受ける初代や、THE侵略者なメトロンJr.・3代目メトロンらとは異なる忠義や仲間意識の強い人なようで。……何で侵略者になった。
 
 あくまでも目的は復讐のタルデ。ガイや地球人には無暗に手を出さないが、同時に邪魔もしてほしくない。
 君には無関係だと言い放つタルデとのやり取りからは、ガイさんのジャグラーに対する認識と、地球の平和を乱すものは何人たりとも許さないというウルトラマンとしての矜持が垣間見える。
「手ならとっくに焼いてる」
 呆れながら上記のセリフを言うガイさん。この発言からジャグラーとの腐れ縁具合がよく分かる。
 そのジャグラーはナオミに介抱され、普段の彼らしからぬ弱気を見せる一幕も。ジャグラーについては後述するとして、今回は3人の宇宙人が、それぞれの立場・視点からお互いの事をどう見ているかが分かるエピソードである。
 

・ハリケーン奮戦!
 ナオミが円盤に連れ去られたと考え調査するジェッタ、シン、渋川。その円盤の主は勿論タルデだ。
 ジャグラーとタルデのいざこざに巻き込まれたナオミや地球を守る為、ガイは空中で変身。ハリケーンスラッシュへ!
 初っ端から流星キックにも似た技で蹴り飛ばし、見参!
 邪魔をされ続け怒り心頭のタルデはジャグラー抹殺の為にこさえたラウンドランチャーをぶっ放す。
 オーブスラッガーランスを回転させて銃撃を防御。そこからランスと足技を使った接近戦に持ち込む。柄の長い武器特有の、大きく振り回して見栄えあるアクション、を積極的に展開する。

 タルデも明らかに格闘には不向きな体なのに、屈み、ジャンプし、腕のランチャーで殴打するなどオーブに負けないアクションを見せる。アクターさんはさぞかし動きにくいだろう。あの頭では。
 更には、オーブスラッガーとスピードを活かした戦法で、ラウンドランチャー乱れ撃ちを完封だ。
 ここ最近は見せ場が少ない基本3形態だが、それを払拭するがごとくの大奮戦。18話辺りから思っていたが、自分の中の闇と向き合ったことで、フュージョンアップ形態も相応のパワーアップを果たしたのでは?
 

・夕日バックに戦う。セブンリスペクトの演出
 タルデとの拮抗した戦いを見せるが、相手は円盤持ち。5代目バルタンよろしくの二面作戦を展開してきた。背後から襲われたのではスラッガーランスによる防御も無効化されてしまう。そう言えば、これまでオーブは2体以上の敵と戦うことは無かったかと。
 反撃の一手は、使い慣れたオーブカリバー! 劇中で新しく見せる技を使い、タルデを撃破。

 そして今回のタルデ戦はウルトラセブンの時と同様に、夕日をバックに戦うものだった。マックスやギンガSでも同じシチュエーション。初代の頃から変わらぬ、「夕日が似合う宇宙人」である。
 散り際もまた知的なメトロンらしさが出ており、どこか哀愁漂うものに。
 儚さから生ずる美しさを持ったタルデだが、本話では再三に渡ってガイに意味深長な事を言っている。断末魔の発言もあって、美しさと同時に不気味さを滲ませるキャラクターとなった。夕日が雲に飲まれるシーンは何の暗示だろうか。
 

・語られるジャグラーの過去
 偶然出くわしたナオミは、構うなと突き放すジャグラーの意思を無視しして手当てする。
 以前だったら、ネットリ嫌味の一つでも言いそうなものだが、今回の彼は珍しく弱気というか自暴自棄気味というか……。
 やはりタルデに剣を奪われたことがショックだったのだろう。落ちぶれたもんだなと自嘲する始末。
 そして2人の会話は今回一番のポイントたるガイとジャグラーの過去へと。ジャグラーには散々ひどい目にあわされてきたナオミだが、言いたくなかったら言わなくて良いと気遣いを見せる。良い娘だ。
 侵略連合の面々が語っていたように、やはりガイとジャグラーは同じ勢力に身を置き腕を競っていたらしい。

 正体を隠す気がないジャグラーはペラペラと己の過去を語る訳だが、これって同時にガイが宇宙人だってバレるんじゃないだろうか。
 俺に光など必要ないと言い切るジャグラー。だがナオミに19話での出来事を引き合いに出され、光がジャグラーの中にもあるのではないかと指摘を受けてしまう。眉を潜めて彼女を睨むシーンを見ていると、
ジャグラーは、自分の中の光を認めたがらないダークヒーロー」
という印象を受ける。
 そしてナオミと別れるシーンおよびラストシーンでの青柳さんの芝居は必見。ホント、ジャグラーの新たな面が見える回だわ今回。
 

タルデとの戦いが終わるも、どこか不穏な空気が漂うラストとなる回。いやはや、タルデのあの言葉にはどんな意味が込められていたのか、そこが気になる……。
 

さて次回
空中に漂うハイパーゼットン・デスサイス。
青いリボンを付けた少女が使役しているようだが……。
お祖母さんに髪をとかしてもらい喜ぶ一方、ガイと肉弾戦を展開するほどの実力を持つ少女。
ハイパーゼットンとの関係は何か、彼女の正体は?
謎を解明するため、ガイは調査に乗り出した!
 
ウルトラマンオーブ第21話『青いリボンの少女』
再びハイパーゼットンの登場です。リボンの少女はゼットン星人やバット星人と関係あるんでしょうか?
いざさらば。