今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ8~一応顔は隠してるけど、足見たら一発でバレるんじゃないか?~

どーも羽野です。
夏場(撮影時期はもっと前でしょうけど)に都会を歩き回るのはラゴンにゃ辛いんじゃないかと思う8話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。
 
『都会の半魚人』
あらすじ
 漁獲量の低下がニュースで報じられる。怪獣がなぜ出現するのかと問うナオミたちに、好き好んで人間の前に出てきたりしないとガイ。
その頃、魚屋を営む戸松源三郎の店に不振な客が現れた。風呂敷を被ったそのお客、正体はラゴン!
半魚人の出現に近隣はパニックに陥る。だが、店主の戸松だけは周囲を反応が違うようで……。
渋川やお客の目をかいくぐり、SSPは戸松たちの後を付けて湾岸の倉庫に向かう。だが、そこに魚を食い荒らしていた犯人・グビラも出現した!

此度の注目ポイントは、
・ラゴン登場
・ナオミの歌
・人と怪獣の関わり
・優しさのシャットダウンプロテクト
 

・ラゴン登場
 ウルトラQに初登場してから半世紀以上が経ち、怪獣たちの中では最古参のグループに入るラゴンの登場だ。
 ウルトラ怪獣で親子というと、ラゴン、フライングライドロン、パンドラとチンペ、トータス一家、ザンドリアス……タロウ率高いな。などなどいるけれど、親子そろって人間と絡ませるとしたらラゴンが適役か。
 正体を知られまいと、風呂敷で顔を隠し街中をうろつく親ラゴンの姿はシュール。歴代の例に漏れず高い知性を有し、人間の言葉を理解している。ボディランゲージで店主・戸松やシンと会話するシーンは軽妙であり、愛らしくもあり。

 海底原人であるラゴン親子が、なぜ上陸したのかは明言されていない。食料である魚が取りにくくなったからか、それともグビラから逃れるためであったのだろうか。
 劇中、渋川さんはナオミに向かって「子供の事を心配しない親はいない」と語る。図らずも親ラゴンの気持ちを代弁する形になった通り、子を想う親の気持ちは人間に限らずウルトラ怪獣も同じである。先に名前を挙げた面々は皆、それぞれの形で親子の絆を視聴者に見せていた。初代ラゴンも子供を取り返しに島に上陸した訳だし。
 まあ、登場するたびに子どもが危険な目にあっていたんでは怪獣たちも堪ったものじゃないけれど。
 

・ナオミの歌
 今回、ジャグラーに絡まれたり、ガイに助けられたりと忙しい夢を見るナオミだが、彼女の歌がラゴン親子を助ける形に。
 ウルトラマンと対決した個体は狂暴化していたので別として、ラゴンは初代の頃から音楽好きという設定がある。
 どのくらい好きかと言えば、初代の場合、万城目の持つラジオから流れる楽曲に聴き入って子供の捜索を一時失念するほど。何かヤバいくらいラゴンの脳に強い影響を与えている気がしないでもないが、その位好き。
 本話ではラゴン親子の為に、ナオミはずっと前から知っている歌を子守歌として口ずさむシーンがある。歌詞などがあるわけでは無く鼻歌に近いシンプルな歌。
 事件が解決した番組ラストでも、彼女は餞別代わりにラゴンたちへ披露する……のだが。
 このシンプルな歌に驚きを隠せない者が1人。
 
 
・人と怪獣の関わり
 劇中の様子を見るにオーブ世界の地球では、マガバッサーが登場した頃から怪獣たちの存在が認知され始めている(本編以前からチラホラ出現していたようだが、歴史の闇に消えていた様だ。ハルカのブログでも怪獣はマガバッサーから始まっている)。
「怪獣はなぜ現れるのか?」
 ここ最近になって出現し出した巨大生物の行動にジェッタたちが不思議に思うのも当然だ。
 『帰ってきたウルトラマン』では、環境汚染が原因で再び怪獣が出現するようになったというが、オーブの世界も同じなのか。

 シンは地球全体がアンバランスになっているのが原因ではないかと推測するが、ジェッタたちは不思議に思うばかり。怪獣たちの動向に首を傾げるSSPに対し、
「怪獣だって好きで暴れてるわけじゃない」
 と、ガイは達観した様子で意見する。
 宇宙人サイドと地球人サイド。この1シーンに怪獣と接触してきた年月の差が表れている。
 怪獣への認識の差においてはビートル隊も同様で、「市民の安全を守ること」を第一に動き、時には怪獣と必要以上に敵対してしまう。彼らは『ウルトラマンコスモス』のチームEYESの様に、怪獣保護する組織ではないのだ。
 それらを踏まえた上で、終盤にみせるジェッタと渋川の選択に注目。受け入れる寛容さと、状況に応じて判断できる柔軟さって大事です。
 
 
・優しさのシャットダウンプロテクト
 日本近海の魚をたいらげ、漁業に影響を与えていたのはグビラだった。陸揚げされた海産物を狙い上陸して漁港を襲う訳だが、鼻先のドリルは建屋を崩すのは便利そうだ。しかし、グビラの図体考えると、どんだけ食えば良いのやら。ウルトラ世界の生態系は謎に包まれている。グビラツインテールとか食っているのだろうか?
 
 さて、上述の通り、グビラは食事の為にやってきただけ。
 それ故か魔王獣と戦う時に比べて、グビラの背に跨がって平手打ちをする、鼻先のドリルをスラッガーランスで抑える、などなどオーブの攻撃がそこまで激しく無い様に見える。
 まあ、食べたものを吐かせる時の猛ラッシュは別として。
 そして最後は光線……ではなく「シャットダウンプロテクト」。
 初代ウルトラマンレッドキングをチョンパする際に使った、ウルトラテレキネシスに近い技だ。
 グビラを遠く離れた海へとオーブは帰す。怪獣・宇宙人と戦う彼らは、常に抹殺している訳じゃないのだ。
 

 親子の絆、人と怪獣との関わりというテーマを、店主とラゴン親子の交流、グビラの行動を通じて描かれた今回の話。前回に続き、1エピソードの中で先のテーマを描きつつ、オーブの物語の縦糸に関わる「謎」がまた1つ示された回でもありました。次はどんな謎が出る?
 

さて次回。
ドン・ノストラたちは新たな作戦をババルウ星人に命じた。
極めて優れた変身能力を持つババルウをオーブに化けさせるというものだ。
そして地上に現れたニセウルトラマンオーブ
子どもを庇ったガイの目の前で、ニセオーブはテレスドンの攻撃をくらい四苦八苦する有様。
どうにも冴えないニセモノ、果たして一体作戦はどうなるのか。
 
ウルトラマンオーブ第9話『ニセモノのブルース』
随分とおっちょこちょいな感じのババルウが出てきましたね。
いざさらば。