今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ7~マイナスエネルギーの塊たるホー。それを生み出した者とは~

どーも羽野です。
今回はホーが出るということで80好きの身としては、どんな見せ場が容易されているか気になる7話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。
 
『霧の中の明日』
あらすじ
「ハルカの夢日記」。予知夢をみる少女ハルカは自身のサイトに怪獣出現を予言し警告し続けていた。それを知ったナオミは個人的に連絡を取る。
ガイは怪獣が出現という場所を訪れる。ハルカと顔を合わせたが、彼女は
ウルトラマンオーブの敗北を予言する。
そこにホーが現れた。戦いの行方は……!?

此度の注目ポイントは、
・真実を伝えたいことの難しさ
・闇と向き合う勇気
・硫酸怪獣の登板
・バレたガイさん。力のその行く先は?
 
 
・真実を伝えたいことの難しさ
 今回のゲストキャラ・ハルカは予知夢を見ることが出来る。冒頭で見た夢の中では、いずれ現れるホーの姿におびえる。怪獣に襲われる夢なんぞ見たら、確かに目覚めは最悪だろうなぁ。
 起床したハルカはイラストをスケッチ。8月20日に怪獣がでるとブログで発表。
 このブログでは、これまで出現した怪獣たちの事が書かれている。ここで注目するのはブログ記事の日付。番組の放送自体は二カ月経過しようという頃だが、劇中ではマガバッサーに出現を皮切りに、この一月で4魔王獣、ハイパーゼットン、アリブンタが立て続けに色々出現していることが分かる。
 
 ハルカは怪獣から皆を助けたい一心で情報発信し続けており、次はホーが出ると警告するが信用されない。
 信用されないどころか、「アンタの妄想のせいで出るんじゃないか?」「面白そうだ、行ってみよう」など、ろくな反応がない。怪獣使いと疑われる上に、野次馬根性で逆に人が来てしまう。
 ナオミ経由でビートル隊へ連絡するよう依頼するけれど、渋川さんもあんまり信用していない。
 これらのシーンを見ていると、昨今、世の中を騒がせているフェイクニュースのことを思い出す。
 ハルカが訴えているのは真実だけど、そりゃ大半の人から見れば嘘っぱちにしか見えないわな。視聴者は別として。
 それでもよく訴え続けてきたと思う。
 
 
・闇と向き合う勇気
 そんな中、ハルカにコンタクトを試みたのが、我らのSSP。
 取材ではなく個人的に話がしたいというナオミは、その理由を語り出す。子供のころから光の巨人の夢を見ているというナオミ。ここへきてSSPのきっかけまで語られるとは思わなんだ。
 ナオミたちとの邂逅を経て、ガイもまたハルカと対話を試みる。
聞けば、子供の頃から夢にみる。何も良いことがなかった。最近は怪獣ばかり。
 犠牲者を減らせると思ったけど、明日は見えても変えられない。
 こんな力、はじめから無ければよかった。
 やけになるハルカと対話するガイ。ここからが本話の見どころよ。

「では何故書き続ける? サイトにあげる?」
「おれだって同じだ。救世主なんかじゃない」
「明日を闇に染めてどうする!?」

 ハルカの心に潜む闇と向き合わせるべく、ガイさんの名言ラッシュが続く。
 ウルトラマンは神ではない。劇場版メビウスでハヤタが語っていたセリフを思い出す。
 未来は変えられるもの。これはネクサスでもあったセリフだ。
 過去のシリーズで散見されたセリフやテーマが形を変えてオーブでも描かれているところに集大成感を感じる。
 ……とかなんとかこっちが感慨にふけっていると、一連のやり取りの中でガイはホーを生み出した「元凶」に気づく。
 
 
・硫酸怪獣の登板
 人の汚れた気持ち、負の感情は怪獣に力を与えたり、怪獣そのものになる。このマイナスエネルギーという概念が導入されてから35年以上、このエネルギーで生み出された硫酸怪獣ホーがテレビシリーズ3回目の登板!
 人間の心にある闇。それを体現するとなれば、やっぱり80に登場した怪獣を使うのが一番だ。
 劇中では「マイナスエネルギー」がどういうものかをガイが知っていると分かる。他のウルトラマンから聞いたのだろうか?
 80の時の「失恋」、
 メビウスの時の「学校の思い」ときて、
 今度は絶望。
 出自は変われど、硫酸の涙は変わらず。ビルも溶かすほど。
 
 負の感情の権化と化したホーにバーンマイトが挑む。……が、フェイントを交えてオーブを騙す辺り、3代目ホーは知恵が回る。
「このやろう!」
 引っかけられて怒り心頭のオーブは頭突きをかます。
 しかしマイナスエネルギーの怪獣は強かった。頭突き返し、ダメ押し光線。
 負の感情って本当に強力なエネルギー源で厄介だ。
 メビウスに登場した時は「伝えたい想いがある」という、ある種プラスの意味で登場したが、今回は完全なる悪。初代と同じく負の感情のままに暴れまわる。正しくマイナスエネルギーの使者たる怪獣の恐ろしさがにじみ出ている。
 ネガティブな感情に飲まれて、実際に犯行に及ぶ輩もいる。その犯人を突き動かした『衝動』こそ、『怪獣』と呼べる気がする。出来れば画面の中だけの存在であってほしいよ。
 

・バレたガイさん。力のその行く先は?
 心の闇と向き合う、真実を発信する大切さと、重いテーマを抱えた本話だが、結構笑えるポイントが。
 劇中、ハルカは予知夢を通じてガイがウルトラマンオーブだと知った。こんな形で正体バレるウルトラマンは初。
 つばさぞう公園でハルカに正体を感づかれるシーンは必見だ。大声で呼ばれちゃ叶わない。動揺のあまりガイもうっかり口を滑らしてオーブリングの事を明かしてしまう。
「ラムネのおにいさんだよー?」
 そのガイさんは更にSSPでの生活が馴染んでいる。
「借りるよー」
と言って、ズボンはシン、ベストはジェッタから拝借。
ハルカの話をナオミが聞いている間は、ガマクジラが表紙の雑誌を読んでいる。
 
 今回はハルカの葛藤と克服がメインだけれど、SSPの面々にもクスリとくるシーンが。
 バイトの為に牛の着ぐるみを着るキャップは、うまくタスキをかけられない。
四苦八苦している所に、公園でハルカとガイが話し込んでいると報告をうけ、ナオミはヤキモチを焼く。
 その様子を見て、シンとジェッタは、あら~という感じでニヤついている。
 ナオミにとっては心穏やかな展開ではない。が、3人の悪友感が出ていて割とホッコリするシーンである。
 そんなコメディ要素を散りばめつつも、番組ラストにハルカが伝えたガイの未来は不吉極まりない。
 最後まで油断できないからか、オーブは特に大河ドラマ的要素が強い印象を受ける作品だ。
 
 
 ゲストヒロインとのちょっとしたロマンスや、未来を変える為に頑張ることの大切さといったテーマを内包しつつ、これからの展開を予感させる重厚なエピソードでした。いやマジでガイさんどーなっちゃうの……。
 

さて次回。
魚屋に訪れた買い物客……は何とラゴン。
海底原人の来店に、店主もお客もびっくり仰天。
ただ店主はラゴンと何か繋がりがあるようで……。
そんな折、グビラが地上に現れた!
オーブは海にお帰り頂く為、グビラと戦う。
だが相手は、ウルトラマンの八つ裂き光輪を凌いだドリルの持ち主、気を付けろオーブ!
 
ウルトラマンオーブ第8話『都会の半魚人』
人間以上に乾燥肌で苦しみそうだなラゴンよ……
いざさらば