今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ13  ~記憶の棚卸と、大掃除~

どーも羽野です。
総集編かぁと思ってたら、しっかり練られてて、フツーに面白かった13話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。

『心のそうじ』
あらすじ
事務所の大掃除をすることになったSSP一同。
ガイや渋川にも手伝ってもらいながら、様々な物・人物が切っ掛けとなりナオミたちは掃除をしながら、これまでの出来事を振り返る。
一方、ガイ自身も怪獣たちとの戦い、そしてジャグラーの言葉を思い返す。
不穏な気配を感じつつも、皆が談笑する姿をみてガイは顔をほころばせるのだった。
 
 
・総集編。振り返りにちょうど良い
 SSPの事務所。大掃除だっていうのに、ジェッタはサイトの更新に時間をとられ、シンは懐かしい発明品を見つけて逆に部屋を散らかしてしまう。物が捨てられない気持ちは分からんでもないぞシン。バイトから帰還したナオミは、改めて音頭を取り、大掃除を再開する事に。
 掃除中、ナオミが第1話で使ったシンの発明品・ストームチェイサーを見つけた所から、3人は思い出話に花をさかせる。
 
 ガイとの出会い、オーブ登場、ジャグラーとの遭遇、怪獣騒ぎ……3人は掃除をしつつ、第1話~第12話の事を思い返す。
 そこにガイも帰還。一緒に掃除をすることに。
「ただ飯を食う訳にもいかないか……」
 流石に悪いと思っていたらしいなガイさん。
 
 
・途中に新撮が入り、単調な総集編にならない
 ナオミがバイトで配るチラシ(第2話)
 ジェッタのジャージ(第3話)
 ハルカからの手紙(第7話)
 4人が掃除をする過程で事務所内から見つかった物や、
 渋川さんが遅れて参加したことで彼の話題
 ナオミの鼻歌から派生して母・圭子の話題
 お見合い騒動から派生してタマユラ姫の話題
 と、準レギュラー、ゲストキャラクターの話が出てきて、回想シーンとしてこれまでの映像が流れていく。
 
 そのシーンの挟み方も、
 SSPの側から振り返ったこれまでの出来事(怪事件に遭遇する自分たちの事)
 ガイの側から振り返った出来事(ウルトラマンオーブとしての戦いの記録)
 といった具合に系統ごとに分かれて挿し込まれ、一気に過去の出来事を回想するという単純な作りになっていない。
 更に、掃除の指示を待つガイさんや、棚から物を落としてしまう渋川さんなどコミカルな芝居が随所に散りばめられており、総集編だからといって、見過ごせるものではない。
 しかし、事務所内でフュージョンカード取り出して良いのかアンタ。
 
 
・要所のシリアス
 オーブの事を正義の味方というシンの発言に、ガイが神妙な顔つきになったり、洗車中にジャグラーの幻影を見たりと、全体的に明るいトーンで話が進行するが、要所要所でシリアスなシーンが挿入される。
 掃除の最中、ゾフィーとベリアルのカードを取り出したガイは強大すぎるサンダーブレスターの力と、ジャグラーの不穏な発言を思い出し、一抹の不安を覚える。
 それを払うかのようにオーブニカを奏でるが、思い出すのは第1話冒頭のシーン。巻き込まれた少女と、敵を撃破するも徐々に消えていく己の武器。

 更に過去を振り返るのは彼らだけではない。同じころ、メトロン星人タルデもジャグラーへの復讐を心に誓う。
 いずれは向き合わなければならない事がガイには目白押しの様だ。
 だが、不安ばかりではない、。シンに呼び込まれてガイが見たのは、事務所で談笑する一同の姿。ナオミたちを始め、これまでに関わった人たちとの絆もまたガイにはあるのだ。
 
 
「彼らの笑顔のため、クレナイ・ガイは平和を守る決意を新たにするのだった」
 昭和ライダーだったら上記の様なナレーションが流れても不思議ではない〆方でした。振り返りも済んだところで、オーブは第2クールに突入します。
 

さて次回
SSPの前に、龍にも似た巨大ロボットが現れた。
平和を守るスーパーロボットの開発という夢を子どもの頃から抱いていたシンは並々ならぬ関心を寄せる。
だが、独自の思考を有するギャラクトロンは暴走を始めてしまう。
ガイはウルトラマンオーブとなり街中で、山間部でギャラクトロンと対決することに。
シンの夢はどうなるのか?
 
ウルトラマンオーブ第14話『暴走する正義』
不安しかないギャラクトロン回。ヒビキ隊長を演じておられた、木之元亮さんが出演されますね。
いざさらば。
 

 

 

今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ12~闇の祝福を受けて。生まれ出でるは破壊の力~

どーも羽野です。
前回の展開から、コレどーすんのという感想しかないのです。
しかも打開策は、あのお方の力も借りなければならないというので不安しかない訳です。
そんなハラハラのオーブ12話の見どころを記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。
 

『黒き王の祝福』
あらすじ
 完膚無きまでに倒された挙げ句、ジャグラーにウルトラフュージョンカードを全て奪われてしまったガイ。そんな中、マガオロチ打倒の為に、SSPのメンバーはタマユラ姫の石碑を修復しようとする。
 一方、再び姿を現したタマユラ姫よりガイは光と闇のカードを手に入れ、苦心の末ダブルリードに成功する。
 勇者の力を借り、黒き王の祝福を受けた「ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター」の逆襲が始まった!

此度の注目ポイントは、
・決死のナオミたち
・ガイは格好良い? 悪い? ジャグラーは何を求める
・ぐんぐんカットの細かさと祝福の意味
・サンダーブレスター大暴れ
 

・決死のナオミたち
 ウルトラマンがピンチの時、頑張るのは当然ながら人間。セブンにおけるウルトラ警備隊。ジャックにおけるMAT。そしてオーブではSSPと渋川さんという訳で。
 こう地球人サイドのキャラクターが奮戦するシーンを見るたび、劇場版ダイナでヒビキ隊長が言っっていたセリフを思い出す。、「人間が頑張らねぇでどうすんだ!」
 ウルトラマンが戦えない今、自分たちに出来ることは何か。と歴代の防衛隊メンバーはピンチの時、常に知恵を絞ってきた。彼らと同様、ナオミたちもオーブに代わり自分たちなりの手段でにマガオロチをどうにかしようと奮起する。
 こうやって人間たちが自らの手で困難に立ち向かう様を見ると、改めてオーブもウルトラの系譜に連なる作品なのだと思う次第。
 

・ガイは格好良い? 悪い? ジャグラーは何を求める
 これまで事あるごとに、ガイを「格好良いな」と皮肉たっぷりに評していたジャグラーだが、今回は完全に呆れ調子。
 以前は互角に渡り合っていた肉弾戦では、ガイの負傷もあってかジャグラーが一方的に打ちのめす展開に。
 で、散々ガイを打ちのめした上での「何か格好悪いよ」。青柳さんの冷たく言い放つ芝居は必見である。
 このガイをどストレートに貶すシーンと、前回のカードを奪うシーンとを合わせて見てみると、ジャグラーが「光」に対して如何に複雑な感情を持っているのがうかがえる。果たして彼は何を求めているのやら。
 

・ぐんぐんカットの細かさと祝福の意味
 ウルトラマンが巨大化する際に挿入されるカットの事を「ぐんぐんカット」と呼ぶそうで。オーブの場合は力を借りている歴代戦士の番組タイトルとカットを組み合わせたものになっている。
 サンダーブレスターのカットも、ゾフィーとベリアルの要素を含んだものになっているが、非常に芸が細かい。
 ぐんぐんカットの最初に映る物体。最初分からなかったが、アレが何であるか分かれば、サンダーブレスターへの変身はベリアルの「解放」を現しているようにも思えるから不思議である。そこから、ゾフィーが案内役を務めた映画「ウルトラマンゾフィー」のOP、そして光と闇が交互に塗り替えていくという構成。力強くも、こんなに不安要素満載のぐんぐんカットは初めて。相反する属性を持った戦士であることが強調されている。
 そして、ガイがベリアルのカードを読み込むのに成功した瞬間は必見。サブタイトルの「祝福」が何を意味するかよく分かる。
 

・サンダーブレスター大暴れ
 遂にヒュージョンアップを果たし、満を持して登場したサンダーブレスター。その外見に違わぬラフファイトをぶちかます。
 殴る、蹴る、首を掴んで絞める、ビルを投げつける、ビルに叩きつける……。
 やっている事は戦いというより完全に「仕返し」。前回マガオロチにやられた事を、そっくりそのままやり返す構図に。特に11話でオーブに襲い掛かるシーンと比較してみるとよく分かる。
 ウルトラマンが大怪獣バトルで披露したのと同じく、光輪を手持ち武器として使ったりとやりたい放題。前回の勢いはどこへやら、マガオロチは滅多打ちにされてしまう。
 そして必殺のゼットシウム光線! 光と闇の力が入り交り、強大なエネルギーの奔流となってマガオロチに襲い掛かる。
 発射時にオーブが上げる唸り声は猛々しく、正に「獣」。
 構えはスペシウム光線に似ているけれど、こんなに禍々しい必殺技はウルトラマン初ではないかと。
 
 
 あいや、あのマガオロチがボッコボコでございます。脚本の都合上、勝つとはわかってましたけど(そりゃ勝てなかったら番組終わりですしね)、そこまでやるか君。
 清々しいまでの暴れっぷりを見せてくれましたが、手放しで喜べないのも事実。
 ラスト、ジャグラーがガイに向けて放った言葉は、今後、現実のものとなるのでしょうか。

さて次回。
大魔王獣を撃破して訪れた平穏。
これを機にSSPの面々とガイは事務所の大掃除を始める。
その過程で彼らは、オーブとこれまでの戦いを思い返すのだった。
 
ウルトラマンオーブ第13話『心の大掃除』
総集編回ですね。振り返りにはもってこいです。
いざさらば。
 

 

 

今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ11~スペースゴジラとデストロイアを足して2で割った大魔王獣~

どーも羽野です。
タイトルからギャグ回と思わせておいて、どシリアスになる事間違いない11話の見どころを記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。
 

『大変ママがきた!』
あらすじ
突然ナオミに頼まれ、ガイは恋人のフリをする事に。ナオミの母から結婚を勧められるので、それを断る為だった。強烈な母のキャラクターにガイも、そしてガイを挑発しに来たジャグラーも振り回されてしまう。
だが、タマユラ姫からの警告で事態は急変する。
彼女の言葉に従い、ジャグラーを止めようとするガイだったが、黒き王の力により、遂に大魔王獣が復活してしまう……!

此度の注目ポイントは、
・初っぱなからとばすギャグパート
・ナオミママに振り回される面々。特にジャグラー
・封印を破り、大破壊をするマガオロチ
・完全敗北ウルトラマン! 奪われたカード
 
 
・初っぱなからとばすギャグパート
 冒頭の銭湯で汗を流しているSSPメンバーとガイ。そこへ突然ナオミが申し出たもんだから、シンとジェッタは驚愕のあまりヘッドスライディングを決める。スロー再生が余計に笑いを誘うぞ。
 さて、頼みを聞き入れたガイさんは「弁護士を目指す恋人」としてナオミの母・圭子との会食に望むが……長いこと地球にいたワリに、「弁護士」とか「司法試験」とか、地球人の文化に明るくないところが露見してしまう。
 
ガイ「弁護↓士↑」
 
 これは聞き所ですよ。聞き所。
 それでも何とかナオミにあわせて芝居を続けるガイ。会食中、圭子に言い放ったのが、
ガイ「僕は正義の味方です」
 ……うん。ココだけウソは言ってない。
 たどたどしいガイさんの自己紹介は、面白いようなハラハラするような……不思議な感覚である。
 
 
・ナオミママに振り回される面々。特にジャグラー
 前回死んだはずのジャグラーだったが、どっこい生きていた! それに驚くガイに対してジャグラーは甘いとなじる。
 ほいでもって、いつものジャグジャグ煽りが始まる……と思いきや、乱入してきた圭子のためにジャグラーのペースは狂いっぱなし。ガイとの会話もコミカルになってしまう始末。
ガイ「こっちこい!」
ジャグラー「え?」
 
ガイ「……何だっけ?」
ジャグラー「あ、ああ……」
 
ジャグラー「魔王獣退治は……」
ウェイター「おまたせしました」
 
ジャグラー「これから大きな禍い……」
圭子「あら~美味しそ~」
 
ジャグラー「だから、それを今オレが言おうと……っ」
 圭子はおろかモブキャラにまでペースを乱され、ついに拗ねてしまうジャグラー。何か不憫に思えてきた。
 しかしガイとジャグラー。ホントは仲良いだろコイツら。
 
 
・封印を破り、大破壊をするマガオロチ
 それでもギャグパートは前半まで。後半はシリアス全開である。
 タマユラ姫の警告通り、大きな禍いが目覚めてしまう。発動の鍵を握るはさっきまで拗ねていたジャグラー! 前半パートでペースを乱された鬱憤をはらすかのように暗躍する。しかし宇宙人たちを利用し、死んだフリをしてまで手に入れた「黒き王」の力を、あの様に利用するとは思わなんだ。ゾフィー

 ガイの奮戦むなしく、復活を果たしたマガオロチ。額の角はスペースゴジラを訪仏とさせ、赤く刺々しい体はデストロイアを思わせる。如何にも「強い怪獣」というストレートなデザインである。
 力強いデザインに違わずマガオロチは猛威を振るう。特にオーブへ向かって突進するシーンと、街を蹂躙するシーンは迫力満点。その暴れぶりは、最大級の禍い、大魔王獣の名に正しく相応しい。
 
 
・完全敗北ウルトラマン! 奪われたカード
 話の展開的に分かり切ってるので先に敗北と書いた。
 強敵との戦い。というのはヒーロー番組の中でも盛り上がるイベント。マガオロチ戦もその例に漏れず。
 スペリオン光線は固い体表に弾かれ、強靭な腕でオーブスラッガーランスを受け止められ、バーンマイトも歯が立たず。オーブのあらゆる技が破られていくのは絶望感に溢れた展開だ。

 成す術なくマガ迅雷をくらい、オーブは光と化し、力尽きたガイは昏倒する。
 そのガイからジャグラーがカードを奪うシーンでは、彼の手に注目。かつては「光の戦士」であったジャグラーが、歴代ウルトラマンたちの事をどう思っているのか。それが垣間見えたシーンである。
 ところで、ウルトラフュージョンカードをダークリングで読み込むと、ウルトラマンダークとかになれるのだろうか?
 
 
 手も足も出ないし、どーすんだコレ。という感じが良く出てるエピソードです。ヒーローの敗北というイベントは幼心には辛い出来事であります……がしかし、ここから如何にオーブが逆転するかが正に見所。次回への期待が個人的には鰻登りですよイヤホント。
 
さて次回。
マガオロチに破れ、カードを奪われ、ガイは手も足も出ず、肉弾戦でもジャグラーに負かされてしまう。
廃墟の中ボロボロとなったガイ。
この状況を打破するには勇者と黒き王の力が必要だ。
オーブは光と闇、相反する力をお借りして、新たな形態となる!
 
ウルトラマンオーブ第12話『黒き王の祝福』
いよいよ強化形態の登場ですね。
いざさらば。
 
 

今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ10~ジャグラス・ジャグラーの握ったもの~

どーも、羽野です。
1クール目も終わりにさしかかったきた所で、ライバルとの決戦を迎えたウルトラマンオーブ10話の見所(個人)です。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。

ジャグラー死す!』
あらすじ
ナオミがバイト先からたこ焼きをもらってきた。3日連続で。流石にジェッタたちは絶句するが、その中でガイは気にすることなく平らげる。
一方、ジャグラーが黒き王の力=ウルトラマンベリアルのカードを狙っていると喝破したノストラはオーブ抹殺の依頼を出した。
SSPの事務所に現れ、ナオミと一緒に夜明けの珈琲を飲みに来たと挑発するジャグラー
申し出を受けたガイは、遂に直接対決に望む。
かつては同じ勢力に身を置いていた者同士の闘い。ノストラにしてみれば、ジャグラーもまたガイ同様に、敵でしかない。
どちらが生き残ろうと知った事ではない。そう切り捨てたノストラだが……?
 
此度の注目ポイントは、
・銀河の彼方で何があった?
ジャグラーの真意は?
・ライバルと生身でぶつかる風来坊
・宿敵との戦い:ブラックキングVSオーブ
 
 
・銀河の彼方で何があった?
 今回のジャグラー暗躍は怪獣カードを使ってナグスの運命を占うとこから始まる。エンマーゴのカードが「突然の死」を暗示していると注意を促す、他のカードにはどんな意味があるのやら。
 そこへノストラから直々に依頼が来た。あらすじの通り、オーブ抹殺と交換条件にベリアルのカードを提示したノストラ。彼自身ははどうやってベリアルカードを手に入れたのか。
 SSP事務所の平穏な雰囲気をぶち壊し、ガイに挑戦状を叩きつけるジャグラー
「夜明けの空は新たな世界の幕開けを予感させてくれる」
 ポエムチックだが、不気味なことには変わらず。2人は直接対決の時を迎える。

 決戦の場にガイが現れるや、前置きも無く殴り掛かる。両者の間に、もはや言葉は必要ないという表れか。
ジャグラー「あの日を思い出す」
ガイ「とっくに忘れた」
ジャグラー「つれないな」
 拳を交えながら昔語りをしようとするジャグラー。戦う両者に被せる様にノストラの独白が挿し込まれる。それを聞くに、2人の因縁は宇宙人の間でも有名らしい。光に選ばれた者と、闇に魅入られた男。かつて銀河の果てで雌雄を決したと聞くが、なぜ激突し、何がどうして今に至るのか。
 これはオーブの物語を最後まで見ないと分からないかもなぁ……。
 
 
・ライバルと体で、心でぶつかる風来坊
 つかみ合い、投げ飛ばし、超高速移動、連続バク転、遥か頭上からの急降下パンチ、勢いよく巻き起こる土煙……。
 第5、6話でも格闘戦を披露してくれたガイさんだけど、今回は前2話の比ではない。
「お前との腐れ縁もここまでだ」
 この言葉通り、非常に激しい死闘が繰り広げられる。
 撮影時も大変だったと容易に推測される。石黒さんのハイキック、青柳さんの背中を狙ったミドルキックが鋭い。スタントマンの方が演じている部分も有るんだろうけれど、2人の顔が良く見える状況で激しいアクションが展開されている。かなりトレーニングを積んだんだろうなぁ石黒さんたち……。
 
 そんな激戦だけどジャグラーは不服。ガイが本気でないと詰り、人間を傷つける事を恐れていると喝破する。
「どうしてそこまで人間に執着するかね」
 ここの吐き捨てるような青柳さんの芝居に注目。
 たかが人間ごときに惑わされるから、有難いウルトラマンさんの力を借りなきゃ戦う事もできないんだと更に罵倒する。これまでもチラホラ見せていたが、ジャグラーは明らかにガイが力を失った事に対して苛立っている。
 只の敵なら、弱ったところを狙うだけだが、ジャグラーは決してやらない。望むのはガイを真っ向から叩き潰すことの様だ
 ガイは過去の苦い記憶を思い起こすも、渾身のカウンター。
 何を企もうと人間を守る。ガイさんヒーローの鏡や。
 
 
ジャグラーの真意は?
 さてオーブが魔王獣を撃破しているその裏で、せっせと魔王獣のカードを収集していたジャグラーだったが、ここにきてその目論見が明かされた。今まで魔王獣を復活させてきた理由をガイは指摘する。
 ガイ曰く、6体の魔王獣を打倒した今、ジャグラーの野望も潰えた。
 ところが当のジャグラーは意に介さない。
「本気でかかってこいよ? ウルトラマオーブ」
 とガイを煽るのみ。

 ニヤニヤ笑顔で毎回カードを収集していた事は、視聴者ならご存知の通り。確かにガイの言う通り、魔王獣は全滅した訳だが、それでもノストラが持つ「黒き王の力」を狙う理由は何か?
 謎が解けたと思わせ、また別の謎が出現する。こうしてストーリーにのめり込んでいくのだなぁ。
 
 
・宿敵との戦い:ブラックキングVSオーブ
 本気をかかってこいと煽るジャグラーに応え、リングを掲げるガイ。
 ジャグラーが繰り出すのは用心棒怪獣ブラックキング。初出「帰ってきたウルトラマン」の頃から、こういう決戦時にはピッタリの怪獣だ。初出の時は、あまりにシナリオが昂りすぎて最終回かと思える内容だったし。
 ブラックキングと因縁あるジャックの力を借り、オーブはまずハリケーンスラッシュで挑む。
 スピーディーな連続蹴り、オーブスラッガーを駆使し手数で勝負するが、相手はブラックキング。タフさを武器にオーブの攻撃をことごとく凌ぐ。特に、スラッガーを腕で弾き返すところは初代ブラックキングがウルトラブレスレットを弾いたのを思わせる。
 オーブスラッガーランスを回転させ、火炎放射を弾き返すも、当のブラックキングには効果なし。
 
 猛然と突き進む相手に、目には目をという事でガイはバーンマイトにチェンジ。
 スワローキックを弾き返し、ストビュームバーストを防ぎ、オーブを苦しめるブラックキング。ジャグラーはガッカリだよと嘆くが、この戦いは意外な、ある意味では予想通りの形で終わりを迎える。
 そしてオーブは奮起。相手の火炎を右手に集め、火拳にして殴り倒す。オープニングのアレンジをバックに戦い、勝利を収めるオーブの姿は『勇壮』の一言だ。
 

 タイムカードを挿すジェッタたちの平穏さ溢れる日常風景と、死闘から帰還というガイの非日常さ。ガイの帰還を待ち続け、安堵しつつもシンプルに一言お帰りと声をかけるナオミの姿は、日常と非日常を繋ぐかの様な印象を受けました。
 第5話で居場所を得たガイさん。彼の帰る場所があるっていうのは良いよねとも思います。……一方、もう1人が新たに得た居場所はエラい事になってますが。
 

さて次回。
ナオミのお母さんが上京して来て、周囲はてんやわんや。
義弟たる渋川さんや、ガイも彼女のペースに巻き込まれる始末。
世話焼き母さんに、ほっこりするガイだったが、平穏な時は束の間。
大魔王獣が遂に出現してしまう。
マガオロチは圧倒的な力で、スペシウムゼペリオンもハリケーンスラッシュも苦しませる。
恐るべき強敵に、オーブは如何に立ち向かうか。
 
ウルトラマンオーブ第11話『大変! ママがきた!』
ギャグ回かと思ったら早速きたよマガオロチ。
いざさらば。
 

今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ9~ハートフル暗黒星人先輩と、お久しぶりなあのお方~

どーも羽野です。
歴代シリーズを振り返っても、とても珍しい「ニセモノ回」である9話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。

『ニセモノのブルース』
あらすじ
ウルトラマンオーブの正体を知りたい! ヒーローの秘密にどうにか迫れないかと、ジェッタは苦心していた。
そんな折り、怪獣テレスドンが街中に出現したが、オーブの活躍で地底に逃げていった。今がチャンスだ。遂にジェッタは変身解除の瞬間を目撃。ウルトラマンオーブの正体は「馬場竜次」と名乗る青年だった!
憧れのヒーローと対面できたジェッタは歓喜に震える。だが、これは惑星侵略連合の恐るべき作戦……のハズだった。

此度の注目ポイントは、
・勘違いコントの様なにせオーブ
・馬場先輩とジェッタ後輩とカザモリパパ
・本物のヒーロー!
・けっこう近くにいるもの
 

・勘違いコントの様なにせオーブ
 ウルトラマンオーブに化けて破壊活動をする。宇宙指令M774(キール星人もルパーツ星人も関係ない)をノストラから受け、ババルウ星人が地球に現れた。
 オーブが突然出現したことに何事かと首を傾げるジェッタたちと茫然とするガイ(そらそうよ)をしり目にいざ作戦開始……と思いきや、まさかのテレスドン出現。
 自分の身は自分で守れと上司に言われニセモノは戦う羽目に。おかげでオーブが怪獣出現を予知して駆けつけれくれた構図となり、かえって民衆からは感謝される始末。

 戦い方がたどたどしく、今日のオーブはいまいち冴えない。不思議に思いながらもそこは贔屓目の力、避け損ねただけなのに子どもを助けるべく体を張ったとみなされる。
 怒り心頭のババルウもといにせオーブはどうにかテレスドンを追っ払う事に成功したが、疲労から変身が解けそうになり慌てて撤退。歴代ババルウ星人の中でも取り分けトンマな奴の様だ。暗黒宇宙の支配者だった初代と同族とは思えない。同じ星の人でも、色んな性格の輩がいる訳で。地球人とかね。
 しかし、野良怪獣なんてワード初めて聞いたぞ。
 
 
・馬場先輩とジェッタ後輩とカザモリパパ
 うっかり変身解除の現場をジェッタに目撃され、慌てて地球人に化けたババルウ星人
 ヒーローの秘密に迫れると興奮しきりのジェッタはババルウ改め「馬場竜次」の怪しい点に気が付かない上、彼が活動しやすい様に、渋川の職質から助け出すなど協力までし始める。本人からすれば全てはウルトラマンオーブ=馬場の為の様だが……。

 当の馬場は、ジェッタを上手いこと利用すれば良いのだが困惑しきり。ちょっと間抜けでお人好しな性格が災い(地球人的には大助かりだが)し、子どもたちのヒーロー・ウルトラマンオーブとなってしまう。口止めされていたのにアッサリ子供たちに話しちゃう。ガイさんの言う通り、そっとしておく気ゼロかジェッタよ……。
 ババルウ星人の事情を知っているガイさんは、とりあえず様子見。カメラマンとして記録し続ける。
「ヒーローってそんなに良いもんか?」
 暗黒宇宙出身のババルウ星人からすれば不思議でしょうがない。思わずジェッタに聞いてしまう。

 ここでジェッタの回想。なぜ彼がヒーローに憧れるかを説明し始めるが……ってジェッタパパは山崎勝之さんじゃないか。
 平成ウルトラセブンシリーズでカザモリ・マサキを演じ、ダンに姿を貸したり、自身がセブンと融合したりと大活躍していた方だ。 1998年には新人隊員を演じていた方が、今では父親役。感慨深いものがある。
 ジェッタの言葉を受けた馬場には心境の変化が訪れる。
 侵略連合の仲間からいつ作戦を実行するのか疑問視されつつも、すっかり「子供たちの良き見本」になり、このままウルトラマンオーブとして生きていくのもアリなんじゃないかとまで考え始める。
 
 
・本物のヒーロー!
 とは言え、ノストラはそんな事を許してくれる筈もなく。子供たちの期待に応えようとする馬場に対し、ノストラは破壊と殺戮を命じる。
「こいつらが教えてくれたんです。運命は変えられるって」
 邪悪な暗黒星人から、本物のヒーローへと変わるべく、馬場は侵略連合と決別する。
 裏切りは許さない。馬場を処刑すべくケルビムが送り込まれた。

 ガワはニセモノだったとしても心はホンモノ! 真のオーブに見守られながら、にせウルトラマンが人類の為に立ち上がる。
 もはや彼が本物のヒーローであることは、正体が露見しても「馬場さん」に応援を続けるジェッタと子供たちを見れば明らか。
 ババルウ星人が全力を出して戦ったその時、彼の健闘に応え本物のオーブが現れた。
 よく頑張った後は任せろ、とばかりに頷くオーブ。ウルトラマンの頷きはかくも頼もしいものか。

 ハリケーンスラッシュがケルビムを打倒すのを見届けると、緊張の糸が切れたババルウ星人は等身大に戻る。
 そのまま人知れず立ち去ろうとするババルウだったが、ジェッタたちはどうにか発見。彼らのお礼を聞きながら「ヒーロー」は風の様に去っていった。
 
 
・けっこう近くにいるもの
 事件は解決した。が、ババルウ星人はあれから姿をくらましたまま。
 馬場先輩はどこにいってしまったのかと呟き。ぼんやりと公園を眺めるジェッタ。
 隣にいるガイも公園の様子を眺めていたが、ふっと笑顔を浮かべてジェッタに応える。
「ヒーローってのは、案外その辺にいるんじゃないか?」
 オーブ自身も、彼は本物のヒーローと認めた様だ。
 運命を変えた彼は、今後も地球でスーパーとまではいかなくともヒーローをやっていくのだろう。
 
 
 ……ババルウ星人がこんなにハートフルな役回りをするとは。レオに初代様もビックリだろう。
 レオ39・40話を参照した上で、本話を見ると地球人に化けて善行に励んでしまう馬場先輩の姿には驚くばかりです。先輩どうかご達者に。
 
 
さて次回。
かつて同じ勢力にいたガイとジャグラー。その因縁は遥か昔からという。
遂に決着をつける為、ガイは生身で、そしてオーブとなってジャグラーとの決戦に挑む。
ドン・ノストラは何を思うか? そして赤い三日月が輝くとき何が起こるのか?
 
ウルトラマンオーブ第10話『ジャグラー死す!』
死にそうにはない気がするんですがねぇ……。
とか思ってるとホントに死んじゃう時もあるし。はてさて。
いざさらば。
 
 
ウルトラマンオーブ オフィシャルサイト
 
オーブが気になった方は、以下からも視聴できますんで、見てみて下さい。
Netfilx

 

 

今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ8~一応顔は隠してるけど、足見たら一発でバレるんじゃないか?~

どーも羽野です。
夏場(撮影時期はもっと前でしょうけど)に都会を歩き回るのはラゴンにゃ辛いんじゃないかと思う8話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。
 
『都会の半魚人』
あらすじ
 漁獲量の低下がニュースで報じられる。怪獣がなぜ出現するのかと問うナオミたちに、好き好んで人間の前に出てきたりしないとガイ。
その頃、魚屋を営む戸松源三郎の店に不振な客が現れた。風呂敷を被ったそのお客、正体はラゴン!
半魚人の出現に近隣はパニックに陥る。だが、店主の戸松だけは周囲を反応が違うようで……。
渋川やお客の目をかいくぐり、SSPは戸松たちの後を付けて湾岸の倉庫に向かう。だが、そこに魚を食い荒らしていた犯人・グビラも出現した!

此度の注目ポイントは、
・ラゴン登場
・ナオミの歌
・人と怪獣の関わり
・優しさのシャットダウンプロテクト
 

・ラゴン登場
 ウルトラQに初登場してから半世紀以上が経ち、怪獣たちの中では最古参のグループに入るラゴンの登場だ。
 ウルトラ怪獣で親子というと、ラゴン、フライングライドロン、パンドラとチンペ、トータス一家、ザンドリアス……タロウ率高いな。などなどいるけれど、親子そろって人間と絡ませるとしたらラゴンが適役か。
 正体を知られまいと、風呂敷で顔を隠し街中をうろつく親ラゴンの姿はシュール。歴代の例に漏れず高い知性を有し、人間の言葉を理解している。ボディランゲージで店主・戸松やシンと会話するシーンは軽妙であり、愛らしくもあり。

 海底原人であるラゴン親子が、なぜ上陸したのかは明言されていない。食料である魚が取りにくくなったからか、それともグビラから逃れるためであったのだろうか。
 劇中、渋川さんはナオミに向かって「子供の事を心配しない親はいない」と語る。図らずも親ラゴンの気持ちを代弁する形になった通り、子を想う親の気持ちは人間に限らずウルトラ怪獣も同じである。先に名前を挙げた面々は皆、それぞれの形で親子の絆を視聴者に見せていた。初代ラゴンも子供を取り返しに島に上陸した訳だし。
 まあ、登場するたびに子どもが危険な目にあっていたんでは怪獣たちも堪ったものじゃないけれど。
 

・ナオミの歌
 今回、ジャグラーに絡まれたり、ガイに助けられたりと忙しい夢を見るナオミだが、彼女の歌がラゴン親子を助ける形に。
 ウルトラマンと対決した個体は狂暴化していたので別として、ラゴンは初代の頃から音楽好きという設定がある。
 どのくらい好きかと言えば、初代の場合、万城目の持つラジオから流れる楽曲に聴き入って子供の捜索を一時失念するほど。何かヤバいくらいラゴンの脳に強い影響を与えている気がしないでもないが、その位好き。
 本話ではラゴン親子の為に、ナオミはずっと前から知っている歌を子守歌として口ずさむシーンがある。歌詞などがあるわけでは無く鼻歌に近いシンプルな歌。
 事件が解決した番組ラストでも、彼女は餞別代わりにラゴンたちへ披露する……のだが。
 このシンプルな歌に驚きを隠せない者が1人。
 
 
・人と怪獣の関わり
 劇中の様子を見るにオーブ世界の地球では、マガバッサーが登場した頃から怪獣たちの存在が認知され始めている(本編以前からチラホラ出現していたようだが、歴史の闇に消えていた様だ。ハルカのブログでも怪獣はマガバッサーから始まっている)。
「怪獣はなぜ現れるのか?」
 ここ最近になって出現し出した巨大生物の行動にジェッタたちが不思議に思うのも当然だ。
 『帰ってきたウルトラマン』では、環境汚染が原因で再び怪獣が出現するようになったというが、オーブの世界も同じなのか。

 シンは地球全体がアンバランスになっているのが原因ではないかと推測するが、ジェッタたちは不思議に思うばかり。怪獣たちの動向に首を傾げるSSPに対し、
「怪獣だって好きで暴れてるわけじゃない」
 と、ガイは達観した様子で意見する。
 宇宙人サイドと地球人サイド。この1シーンに怪獣と接触してきた年月の差が表れている。
 怪獣への認識の差においてはビートル隊も同様で、「市民の安全を守ること」を第一に動き、時には怪獣と必要以上に敵対してしまう。彼らは『ウルトラマンコスモス』のチームEYESの様に、怪獣保護する組織ではないのだ。
 それらを踏まえた上で、終盤にみせるジェッタと渋川の選択に注目。受け入れる寛容さと、状況に応じて判断できる柔軟さって大事です。
 
 
・優しさのシャットダウンプロテクト
 日本近海の魚をたいらげ、漁業に影響を与えていたのはグビラだった。陸揚げされた海産物を狙い上陸して漁港を襲う訳だが、鼻先のドリルは建屋を崩すのは便利そうだ。しかし、グビラの図体考えると、どんだけ食えば良いのやら。ウルトラ世界の生態系は謎に包まれている。グビラツインテールとか食っているのだろうか?
 
 さて、上述の通り、グビラは食事の為にやってきただけ。
 それ故か魔王獣と戦う時に比べて、グビラの背に跨がって平手打ちをする、鼻先のドリルをスラッガーランスで抑える、などなどオーブの攻撃がそこまで激しく無い様に見える。
 まあ、食べたものを吐かせる時の猛ラッシュは別として。
 そして最後は光線……ではなく「シャットダウンプロテクト」。
 初代ウルトラマンレッドキングをチョンパする際に使った、ウルトラテレキネシスに近い技だ。
 グビラを遠く離れた海へとオーブは帰す。怪獣・宇宙人と戦う彼らは、常に抹殺している訳じゃないのだ。
 

 親子の絆、人と怪獣との関わりというテーマを、店主とラゴン親子の交流、グビラの行動を通じて描かれた今回の話。前回に続き、1エピソードの中で先のテーマを描きつつ、オーブの物語の縦糸に関わる「謎」がまた1つ示された回でもありました。次はどんな謎が出る?
 

さて次回。
ドン・ノストラたちは新たな作戦をババルウ星人に命じた。
極めて優れた変身能力を持つババルウをオーブに化けさせるというものだ。
そして地上に現れたニセウルトラマンオーブ
子どもを庇ったガイの目の前で、ニセオーブはテレスドンの攻撃をくらい四苦八苦する有様。
どうにも冴えないニセモノ、果たして一体作戦はどうなるのか。
 
ウルトラマンオーブ第9話『ニセモノのブルース』
随分とおっちょこちょいな感じのババルウが出てきましたね。
いざさらば。
 
 

今回のウルトラマンオーブさんはここ見よ7~マイナスエネルギーの塊たるホー。それを生み出した者とは~

どーも羽野です。
今回はホーが出るということで80好きの身としては、どんな見せ場が容易されているか気になる7話について記述します。
※記事の日付は放送当時のものに合わせてあります。
 
『霧の中の明日』
あらすじ
「ハルカの夢日記」。予知夢をみる少女ハルカは自身のサイトに怪獣出現を予言し警告し続けていた。それを知ったナオミは個人的に連絡を取る。
ガイは怪獣が出現という場所を訪れる。ハルカと顔を合わせたが、彼女は
ウルトラマンオーブの敗北を予言する。
そこにホーが現れた。戦いの行方は……!?

此度の注目ポイントは、
・真実を伝えたいことの難しさ
・闇と向き合う勇気
・硫酸怪獣の登板
・バレたガイさん。力のその行く先は?
 
 
・真実を伝えたいことの難しさ
 今回のゲストキャラ・ハルカは予知夢を見ることが出来る。冒頭で見た夢の中では、いずれ現れるホーの姿におびえる。怪獣に襲われる夢なんぞ見たら、確かに目覚めは最悪だろうなぁ。
 起床したハルカはイラストをスケッチ。8月20日に怪獣がでるとブログで発表。
 このブログでは、これまで出現した怪獣たちの事が書かれている。ここで注目するのはブログ記事の日付。番組の放送自体は二カ月経過しようという頃だが、劇中ではマガバッサーに出現を皮切りに、この一月で4魔王獣、ハイパーゼットン、アリブンタが立て続けに色々出現していることが分かる。
 
 ハルカは怪獣から皆を助けたい一心で情報発信し続けており、次はホーが出ると警告するが信用されない。
 信用されないどころか、「アンタの妄想のせいで出るんじゃないか?」「面白そうだ、行ってみよう」など、ろくな反応がない。怪獣使いと疑われる上に、野次馬根性で逆に人が来てしまう。
 ナオミ経由でビートル隊へ連絡するよう依頼するけれど、渋川さんもあんまり信用していない。
 これらのシーンを見ていると、昨今、世の中を騒がせているフェイクニュースのことを思い出す。
 ハルカが訴えているのは真実だけど、そりゃ大半の人から見れば嘘っぱちにしか見えないわな。視聴者は別として。
 それでもよく訴え続けてきたと思う。
 
 
・闇と向き合う勇気
 そんな中、ハルカにコンタクトを試みたのが、我らのSSP。
 取材ではなく個人的に話がしたいというナオミは、その理由を語り出す。子供のころから光の巨人の夢を見ているというナオミ。ここへきてSSPのきっかけまで語られるとは思わなんだ。
 ナオミたちとの邂逅を経て、ガイもまたハルカと対話を試みる。
聞けば、子供の頃から夢にみる。何も良いことがなかった。最近は怪獣ばかり。
 犠牲者を減らせると思ったけど、明日は見えても変えられない。
 こんな力、はじめから無ければよかった。
 やけになるハルカと対話するガイ。ここからが本話の見どころよ。

「では何故書き続ける? サイトにあげる?」
「おれだって同じだ。救世主なんかじゃない」
「明日を闇に染めてどうする!?」

 ハルカの心に潜む闇と向き合わせるべく、ガイさんの名言ラッシュが続く。
 ウルトラマンは神ではない。劇場版メビウスでハヤタが語っていたセリフを思い出す。
 未来は変えられるもの。これはネクサスでもあったセリフだ。
 過去のシリーズで散見されたセリフやテーマが形を変えてオーブでも描かれているところに集大成感を感じる。
 ……とかなんとかこっちが感慨にふけっていると、一連のやり取りの中でガイはホーを生み出した「元凶」に気づく。
 
 
・硫酸怪獣の登板
 人の汚れた気持ち、負の感情は怪獣に力を与えたり、怪獣そのものになる。このマイナスエネルギーという概念が導入されてから35年以上、このエネルギーで生み出された硫酸怪獣ホーがテレビシリーズ3回目の登板!
 人間の心にある闇。それを体現するとなれば、やっぱり80に登場した怪獣を使うのが一番だ。
 劇中では「マイナスエネルギー」がどういうものかをガイが知っていると分かる。他のウルトラマンから聞いたのだろうか?
 80の時の「失恋」、
 メビウスの時の「学校の思い」ときて、
 今度は絶望。
 出自は変われど、硫酸の涙は変わらず。ビルも溶かすほど。
 
 負の感情の権化と化したホーにバーンマイトが挑む。……が、フェイントを交えてオーブを騙す辺り、3代目ホーは知恵が回る。
「このやろう!」
 引っかけられて怒り心頭のオーブは頭突きをかます。
 しかしマイナスエネルギーの怪獣は強かった。頭突き返し、ダメ押し光線。
 負の感情って本当に強力なエネルギー源で厄介だ。
 メビウスに登場した時は「伝えたい想いがある」という、ある種プラスの意味で登場したが、今回は完全なる悪。初代と同じく負の感情のままに暴れまわる。正しくマイナスエネルギーの使者たる怪獣の恐ろしさがにじみ出ている。
 ネガティブな感情に飲まれて、実際に犯行に及ぶ輩もいる。その犯人を突き動かした『衝動』こそ、『怪獣』と呼べる気がする。出来れば画面の中だけの存在であってほしいよ。
 

・バレたガイさん。力のその行く先は?
 心の闇と向き合う、真実を発信する大切さと、重いテーマを抱えた本話だが、結構笑えるポイントが。
 劇中、ハルカは予知夢を通じてガイがウルトラマンオーブだと知った。こんな形で正体バレるウルトラマンは初。
 つばさぞう公園でハルカに正体を感づかれるシーンは必見だ。大声で呼ばれちゃ叶わない。動揺のあまりガイもうっかり口を滑らしてオーブリングの事を明かしてしまう。
「ラムネのおにいさんだよー?」
 そのガイさんは更にSSPでの生活が馴染んでいる。
「借りるよー」
と言って、ズボンはシン、ベストはジェッタから拝借。
ハルカの話をナオミが聞いている間は、ガマクジラが表紙の雑誌を読んでいる。
 
 今回はハルカの葛藤と克服がメインだけれど、SSPの面々にもクスリとくるシーンが。
 バイトの為に牛の着ぐるみを着るキャップは、うまくタスキをかけられない。
四苦八苦している所に、公園でハルカとガイが話し込んでいると報告をうけ、ナオミはヤキモチを焼く。
 その様子を見て、シンとジェッタは、あら~という感じでニヤついている。
 ナオミにとっては心穏やかな展開ではない。が、3人の悪友感が出ていて割とホッコリするシーンである。
 そんなコメディ要素を散りばめつつも、番組ラストにハルカが伝えたガイの未来は不吉極まりない。
 最後まで油断できないからか、オーブは特に大河ドラマ的要素が強い印象を受ける作品だ。
 
 
 ゲストヒロインとのちょっとしたロマンスや、未来を変える為に頑張ることの大切さといったテーマを内包しつつ、これからの展開を予感させる重厚なエピソードでした。いやマジでガイさんどーなっちゃうの……。
 

さて次回。
魚屋に訪れた買い物客……は何とラゴン。
海底原人の来店に、店主もお客もびっくり仰天。
ただ店主はラゴンと何か繋がりがあるようで……。
そんな折、グビラが地上に現れた!
オーブは海にお帰り頂く為、グビラと戦う。
だが相手は、ウルトラマンの八つ裂き光輪を凌いだドリルの持ち主、気を付けろオーブ!
 
ウルトラマンオーブ第8話『都会の半魚人』
人間以上に乾燥肌で苦しみそうだなラゴンよ……
いざさらば